難易度・正答率・重要度
- 難易度:★★☆☆☆(基本知識の組み合わせ。やや思考を要する。)
- 正答率:★★★★☆(正答率70〜90%。比較的易しい。)
- 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結。)
問題文
監査役会設置会社における取締役会の会社法の定めに関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、本問における取締役会は特別取締役による取締役会は考慮しないものとする。
ア
会社法上、監査役は、必要があると認めるときは、取締役に対し、取締役会の招集を請求することができるとされているが、いかなる場合においても監査役自らが取締役会を招集することはできないとされている。
イ
会社法上、定款又は取締役会で定めた取締役が取締役会を招集する場合、取締役会の招集通知には、取締役会の日時及び場所並びに取締役会の目的事項を記載しなければならないとされている。
ウ
会社法上、取締役会の招集通知は、各取締役の他に、各監査役に対しても発しなければならないとされている。
エ
会社法上、取締役会の招集通知は、定款で定めることにより、取締役会の日の1週間前までに発する必要はなくなるが、その場合でも取締役会の日の3日前までには発しなければならないとされている。
出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)
解答
正解:ウ
解説
ア:✕
会社法上、監査役は取締役会の招集を請求することができるが、一定の要件を満たす場合には自ら招集することも可能とされている。いかなる場合でも招集できないとする本肢は誤り。
イ:✕
招集通知の内容については、会社法上「日時・場所」は記載事項とされているが、「目的事項」は必須ではない。目的事項の記載が必要とする本肢は誤り。
ウ:〇
会社法上、取締役会の招集通知は、各取締役だけでなく、各監査役にも発しなければならないとされている。これは監査役の職務遂行に必要な情報共有の観点から定められており、正しい記述である。
エ:✕
取締役会の招集通知の発出期限は、定款で定めることにより柔軟に変更可能であり、3日前までに通知しなければならないという制限はない。よって本肢は誤り。
学習のポイント
- 取締役会の招集通知は、取締役だけでなく監査役にも通知する必要がある。
- 招集通知の内容や期限は、定款によって変更可能な範囲と法定事項を区別して理解する。
- 監査役の招集権限は、一定の条件下で認められているため、例外規定の有無に注意する。