過去問解説(経済学・経済政策)_2023年(R5年) 第14問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(短期費用・限界費用・平均費用の幾何)
  • 正答率: ★★★☆☆(接線の意味づけ)
  • 重要度: ★★★☆☆(費用曲線の定番)

問題文

下図は企業の短期費用曲線を示し、縦軸のOAが固定費用を表している。ここで、総費用曲線TC上の接線のうち、①その傾きが最小となる点をX、②Aを起点とした直線と接する点をY、③Oを起点とした直線と接する点をZとする。
この図から読み取れる記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

点Xでは平均固定費用が最小になっている。
点Yでは平均可変費用が最小になっている。
点Zでは平均総費用が最小になっている。
点Xから点Zにかけて限界費用は逓減している。

〔解答群〕

aとb
aとc
aとd
bとc
bとd

出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: エ(bとc)

解説

  • a:×
    平均固定費用(AFC)は常に逓減(固定費を産出量で割るため)で、特定点で最小という概念は取らない。点Xは「TCの接線傾き(=限界費用)」が最小の点であり、AFCとは無関係。
  • b:〇
    点Yは「A(固定費の原点)を通る直線」とTCが接する点。Aを起点とする直線の傾きは可変費用の平均、すなわち平均可変費用(AVC)に一致し、接点YはAVCが最小の点(AVCとMCが交わる最小点)を表す。
  • c:〇
    点Zは「O(原点)を通る直線」とTCが接する点。Oを起点とする直線の傾きは平均総費用(ATC)に一致し、接点ZはATCが最小の点(ATCとMCが交わる最小点)を表す。
  • d:×
    点XからZにかけての限界費用(TCの接線傾き)は、Xで最小となった後は上昇(逓増)に転じる。したがって「逓減している」は誤り。

学習のポイント

  • 接線の意味: TCの接線傾き=限界費用(MC)。原点Oからの傾き=ATC、点Aからの傾き=AVC。
  • 最小条件: MCはAVC・ATCの最小点でそれぞれと交わる(MC=AVC at min AVC、MC=ATC at min ATC)。
  • 固定費の扱い: AFCは産出量の増加で単調に低下。グラフ上の特定点での最小というより漸近的に低下。