難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(DCFモデルの応用)
- 正答率: ★★☆☆☆(計算過程が複雑)
- 重要度: ★★★★☆(企業価値評価の典型論点)
問題文
以下のデータに基づいて、A社の株主価値を割引キャッシュフローモデルに従って計算したとき、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、これらの数値は毎年3%ずつ増加する。また、A社には現在も今後も負債がなく、株主の要求収益率は6%である。
【A社の次期の予測データ】
(単位:万円)
| 税引後純利益 | 1,200 |
| 減価償却費 | 300 |
| 設備投資額 | 500 |
| 正味運転資本増加額 | 100 |
〔解答群〕
ア
15,000万円
イ
30,000万円
ウ
35,000万円
エ
70,000万円
出典: 中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)
解答
正解:イ(30,000万円)
解説
- フリーキャッシュフロー(FCF)の算定)
FCF = 税引後純利益 + 減価償却費 − 設備投資額 − 正味運転資本増加額
= 1,200 + 300 − 500 − 100 = 900(万円) - 成長を考慮したDCFモデル(ゴードン成長モデル)
企業価値 = FCF₁ ÷ (r − g)
- FCF₁:次期のフリーキャッシュフロー
- r:株主の要求収益率(6%)
- g:成長率(3%) 本問では「次期の予測データ」が与えられているため、FCF₁=900(万円)をそのまま使用する。 よって、
企業価値 = 900 ÷ (0.06 − 0.03)
= 900 ÷ 0.03
= 30,000(万円)
- 選択肢との照合
→ 「イ:30,000万円」が正解。
学習のポイント
- DCFモデル(ゴードン成長モデル)は「FCF ÷ (r − g)」で計算する。
- 「次期の予測データ」が与えられている場合は、そのままFCF₁として使用する。
- 設備投資や運転資本増加を控除してFCFを算出する点に注意。
- 成長率gが要求収益率rに近い場合、分母が小さくなり企業価値が大きくなる。