過去問解説(経営法務)_2024年(R6年) 第2問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★★☆☆(複数知識の統合や、誤答肢の吟味が必要)
  • 正答率:★★★☆☆(正答率50〜70%。標準的な難易度)
  • 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結)

問題文

会社法が定める監査役および監査役会に関する記述として、最も適切なものはどれか。

監査役会設置会社においては、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならないが、社外監査役を常勤の監査役とすることもできる。
監査役会設置会社においては、監査役を3人以上選任しなければならず、その選任人数にかかわらず、そのうち過半数は社外監査役でなければならない。
監査役の報酬は、定款にその額を定めることはできず、株主総会の決議によって定めなければならない。
監査役を株主総会決議によって解任する場合、その株主総会決議は特別決議によらなければならず、かつ、その解任について正当な理由がなければならない。

出典:中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)


解答

正解:ア


解説

ア:〇
 監査役会設置会社では、監査役の中から常勤の監査役を選定する必要があり、社外監査役を常勤とすることも可能である。

イ:✕
 監査役会設置会社では、監査役は3人以上必要で、そのうち半数以上が社外監査役である必要がある。「過半数」とは異なる。

ウ:✕
 監査役の報酬は、定款に定めることも可能であり、必ずしも株主総会決議によらなければならないわけではない。

エ:✕
 監査役の解任は特別決議によるが、正当な理由は不要である。ただし、正当な理由なく解任された場合には損害賠償請求が可能となる。


学習のポイント

  • 監査役会設置会社では、常勤監査役の選定義務がある。
  • 監査役の人数要件(3人以上)と社外監査役の割合要件(半数以上)は混同しやすい。
  • 監査役の報酬決定方法や解任要件は、株主総会決議の種類や正当理由の要否を正確に理解する必要がある。