過去問解説(経営法務)_2024年(R6年) 第6問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★★☆☆(複数知識の統合や、誤答肢の吟味が必要)
  • 正答率:★★★☆☆(正答率50〜70%。標準的な難易度)
  • 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結)

問題文

定款の記載事項は、絶対的記載事項(定款に必ず記載または記録しなければならない事項であって、これを記載または記録しないときには定款自体が無効となるもの)、相対的記載事項(定款で定めないとその事項の効力が認められないもの)、任意的記載事項(定款に記載せずに他の方法で定めても有効であるにもかかわらず、会社の意思で定款に記載する事項)に分類される。

次の事項のうち、株式会社の定款における絶対的記載事項ではないものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

aとc
bとd
bとe
dとe

出典:中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)

解答

正解:エ


解説

ア:✕
 本店の所在地は、定款に必ず記載しなければならない絶対的記載事項である。

イ:✕
 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額は相対的記載事項であり、取締役の員数は任意的記載事項であるが、この組み合わせは設問条件に合致しない。

ウ:✕
 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額は相対的記載事項であり、定時株主総会の招集時期は任意的記載事項であるため、この組み合わせは不適切。

エ:〇
 取締役の員数および定時株主総会の招集時期はいずれも絶対的記載事項ではなく、設問条件に合致する正しい組み合わせである。


学習のポイント

  • 定款の記載事項は「絶対的」「相対的」「任意的」に分類される。
  • 絶対的記載事項は記載がなければ定款自体が無効となる重要項目。
  • 相対的・任意的記載事項との違いを具体例とともに整理して覚えることが重要。