過去問解説(経営情報システム)_2024年 第10問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★★☆☆(DX制度と用語の理解)
  • 正答率:★★☆☆☆(文脈判断が必要)
  • 重要度:★★★☆☆(中小企業のDX推進に直結)

問題文

近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の取り組みが中小企業にも拡大している。DX推進に関する下記の設問に答えよ。

(設問1)

DX認定制度は、DX推進の準備が整っていると認められた企業を国が認定する制度であり、デジタル技術による社会変革に対して経営者に求められる事項を取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対応している。
経済産業省および情報処理推進機構(IPA)による「DX認定制度申請要項(申請のためのガイダンス)」(第2版)では、下記に示す〈デジタルガバナンス・コードの項目〉とDX認定制度の申請項目の対応関係が説明されている。

〈デジタルガバナンス・コードの項目〉

  • 1.経営ビジョン・ビジネスモデル
  • 2.戦略
    • 2.1.組織づくり・人材・企業文化に関する方策
    • 2.2.ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策
  • 3.成果と重要な成果指標
  • 4.ガバナンスシステム

上記の「2.1.組織づくり・人材・企業文化に関する方策」に対応するDX認定制度の申請項目として、最も適切なものはどれか。

最新の情報処理技術を活用するための環境整備の具体的方策の提示
サイバーセキュリティに関する対策の的確な策定及び実施
実務執行総括責任者が主導的な役割を果たすことによる、事業者が利用する情報処理システムにおける課題の把握
実務執行総括責任者による効果的な戦略の推進等を図るために必要な情報発信
戦略を効果的に進めるための体制の提示

(設問2)

情報処理推進機構(IPA)が公開している「中小規模製造業者の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのガイド」では、中小規模製造業が先進的にDXに取り組んでいる事例を基に、これからDXに取り組む企業に向けて、その必要性や進め方がまとめられている。
このガイドに記載されている内容に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

a
スマートサービスは、AIやIoTなどのデジタル技術を使い、顧客に高い体験価値を与えるサービスのことで、モノの使用状況に基づいてメンテナンスなどを行うサービスのほか、モノづくりのノウハウを提供・サポートするサービスも含まれる。
b
スマートファクトリーは、生産設備をデジタル化し、ネットワーク上でデータをやりとりすることで効率化している工場のことである。
c
製造分野のDXは、顧客価値を高めるため、製造分野で利用されている製造装置や製造工程の監視・制御(OT:運用技術)などのデジタル化を軸に、ITとの連携により製品やサービス、ビジネスモデルの変革を実現することと定義されている。
d
中小規模製造業におけるDXにおいては、収益増に直結するスマートプロダクトへの取り組みから行うことが推奨されている。

〔解答群〕

a:〇 b:〇 c:〇 d:×
a:〇 b:〇 c:× d:×
a:〇 b:× c:〇 d:〇
a:× b:〇 c:〇 d:〇
a:× b:× c:× d:〇

出典:中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経営情報システム(PDF)

解答

  • 設問1:オ(戦略を効果的に進めるための体制の提示)
  • 設問2:ア(a:〇 b:〇 c:〇 d:×)

解説

設問1:DX認定制度とデジタルガバナンス・コードの対応

  • 「2.1 組織づくり・人材・企業文化に関する方策」に対応する申請項目は、戦略を効果的に進めるための体制の提示が最も適切。
  • 他選択肢は以下のように対応項目が異なる:
    ・ア:IT環境整備(2.2)
    ・イ:セキュリティ対策(ガバナンス)
    ・ウ:情報処理システムの課題把握(2.2)
    ・エ:情報発信(ガバナンス)

設問2:IPA「中小規模製造業者のDX推進ガイド」より

  • a:〇
    スマートサービスはAI・IoT等を活用し、顧客体験価値を高めるサービス。モノの使用状況に基づくメンテナンスやノウハウ提供も含まれる。
  • b:〇
    スマートファクトリーは、生産設備のデジタル化とネットワーク連携による効率化を図る工場。
  • c:〇
    製造分野のDXは、OT(運用技術)のデジタル化とIT連携による製品・サービス・ビジネスモデルの変革を目指す。
  • d:×
    スマートプロダクトへの取り組みは重要だが、収益増に直結するから優先すべきという記述はガイドの趣旨と異なる。まずは業務プロセスやデータ活用から段階的に進めることが推奨されている。

学習のポイント

  • DX認定制度:国が認定する制度で、デジタルガバナンス・コードとの対応が重要。申請項目とコードの対応関係を整理。
  • スマートサービス/ファクトリー/プロダクト:それぞれの定義と目的を明確に理解。顧客価値・効率化・収益性の観点で分類。
  • 中小企業のDX推進:段階的な取り組みが推奨されており、いきなり収益重視ではなく、基盤整備や人材育成が重要。