難易度・正答率・重要度
- 難易度:★★★☆☆(組織デザイン理論の理解が必要)
- 正答率:★★★☆☆(正答率50〜70%。標準的)
- 重要度:★★★☆☆(ガルブレイスの情報処理理論は頻出)
問題文
J. ガルブレイスによれば、組織デザインの諸方策は、情報処理の必要性と情報処理能力の観点から評価できる。組織デザインの方策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
横断的な関係の創出は、情報処理能力を増大させる。
イ
自己完結的職務の創出は、情報処理の必要性を増大させる。
ウ
垂直的な情報システムへの投資は、情報処理能力を低減させる。
エ
スラック資源の創出は、情報処理の必要性を増大させる。
出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
正解:ア
解説
ア:〇
横断的な関係(タスクフォース、プロジェクトチーム、マトリクス組織など)は、部門間の情報共有を促進し、組織全体の情報処理能力を増大させる。
イ:✕
自己完結的職務の創出は、部門や職務単位で処理を完結させることで「情報処理の必要性を減少」させる方策であり、増大させるわけではない。
ウ:✕
垂直的な情報システム(報告ラインや情報システム投資)は、情報処理能力を高める方策であり、低減させるものではない。
エ:✕
スラック資源(余裕資源)の創出は、調整の必要性を減らすことで「情報処理の必要性を低減」させる。増大させるわけではない。
学習のポイント
- ガルブレイスの基本視点
組織は「情報処理の必要性」と「情報処理能力」のバランスで設計される。 - 情報処理の必要性を減らす方策
自己完結的職務の創出、スラック資源の導入などにより、調整や追加情報の必要性を下げる。 - 情報処理能力を高める方策
垂直的情報システムの整備、横断的関係の創出などにより、組織全体の情報処理力を強化する。