過去問解説(企業経営理論)_2024年(令和6年) 第31問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★☆☆☆(基本的な理解問題)
  • 正答率:★★★★☆(正答率70%以上)
  • 重要度:★★★☆☆(BtoB マーケティングの基礎)

問題文

BtoB マーケティングに関する記述として、最も適切なものはどれか。


BtoB マーケティングでは、社内での慎重な検討を経て購買意思決定がなされるが、ブランドのイメージに頼る購買も存在する。
BtoB マーケティングでは顧客は取引先企業であるため、不特定多数の消費者を対象とする BtoC マーケティングとは異なり、広告は不要である。
BtoB マーケティングにおける顧客とは取引先企業であるため、クチコミは発生しない。
不特定多数の消費者を対象とする BtoC マーケティングとは対照的に、BtoB マーケティングでは特定少数の取引先企業との長期的関係が重要であるため、現在の取引先企業の要望に応えることだけに専念することが必要である。

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:ア


解説

ア:〇
 BtoB マーケティングでは、購買意思決定は複数部門・複数担当者による合議制で慎重に行われることが多い。しかし、合理的判断だけでなく、ブランドの信頼性やイメージが意思決定に影響する場合もある。

イ:✕
 BtoB でも広告は重要。展示会、業界誌、オンライン広告などを通じて認知を高め、リード獲得につなげる。広告が不要というのは誤り。

ウ:✕
 BtoB にもクチコミは存在する。特に業界内での評判や導入事例の共有は購買意思決定に大きな影響を与える。

エ:✕
 長期的関係は重要だが、既存顧客だけに専念すると新規顧客開拓や市場拡大の機会を失う。BtoB でも新規開拓と既存顧客対応のバランスが必要。


学習のポイント

BtoB マーケティングの特徴
 意思決定は複数人・複数部門で行われる(購買センター)
 合理的判断が重視されるが、ブランドや信頼性も影響する
 顧客は企業だが、意思決定者は「人」であるため感情や評判も無視できない

・BtoC との違い
 BtoC:不特定多数の消費者を対象
 BtoB:特定少数の企業を対象。取引規模が大きく、関係性が長期的

・実務への示唆
 BtoB でもブランド構築や広告、クチコミ戦略は重要
 合理性と感情の両面を意識したマーケティングが求められる