難易度・正答率・重要度
- 難易度:★★☆☆☆(人的販売の基本理解)
- 正答率:★★★★☆(正答率70%以上)
- 重要度:★★★☆☆(プロモーション手段の基礎)
問題文
BtoC マーケティングにおける人的販売に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
経営トップの意向や判断が強く影響する BtoB マーケティングでは、顧客企業との接点を担う営業人材の選好や判断が購買意思決定に反映されにくく、BtoC マーケティングに比べて、営業人材が担う役割は極めて小さい。
イ
消費者自身では購買意思決定が困難な製品・サービスや、購買に際して高い知覚リスクを感じるような製品・サービスの場合に適したプロモーション手段である。
ウ
全体的なプロモーション効果を高めるためには、購買プロセスの前半に購買者の選好、納得感、行動に強く影響を与える人的販売が実施され、購買プロセスの後半にリマインドのための広告や販売促進が実施される。
エ
対応可能な消費者の数が限られる一方、相手の状況や反応を把握しながら柔軟な対応ができるため、高い認知率を獲得するためには、極めてコスト効率が高いプロモーション手段である。
オ
ダイレクト・マーケティングは、消費者へのダイレクトな非人的チャネルを利用して、仲介業者を介さずに顧客に到達し、財やサービスを提供する活動であるため、これに人的販売は含まれない。
出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
正解:イ
解説
ア:×
BtoB マーケティングでは営業人材の役割は非常に大きく、顧客企業との関係構築や提案活動が購買意思決定に大きく影響する。
イ:〇
人的販売は、消費者が自分だけでは判断しにくい高関与製品や高リスク商品(例:住宅、保険、教育サービスなど)に適している。販売員が説明や相談に応じることで、消費者の不安を軽減し意思決定を支援する。
ウ:×
人的販売は購買プロセスの後半、意思決定直前に強く影響することが多い。前半に人的販売、後半に広告という流れは不自然。
エ:×
人的販売は一人ひとりに対応するためコスト効率は低い。高い認知率を得る手段としては広告や販売促進が適している。
オ:×
ダイレクト・マーケティングには人的販売も含まれる場合がある。非人的チャネルに限定するのは誤り。
学習のポイント
・人的販売の特徴
消費者の不安や疑問に直接対応し、信頼関係を築くことで購買を後押しする
・適用される場面
高価格・高リスク・複雑な製品やサービス(住宅、金融商品、教育など)
・他のプロモーション手段との比較
広告=広範囲に認知拡大、販売促進=購買刺激、人的販売=意思決定支援と信頼構築