過去問解説(経済学・経済政策)_2024年(R6年) 第5問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(消費関数の基本理解)
  • 正答率: ★★★★☆(典型知識)
  • 重要度: ★★★☆☆(マクロ経済の基礎)

問題文

下図は、ケインズ型消費関数を直線ABによって描いている。この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

可処分所得が大きいほど限界消費性向が小さくなるので、高所得者ほど所得に占める消費額の割合が小さくなる。
可処分所得が増加するとき、限界消費性向は一定であるが、平均消費性向は小さくなる。
この消費関数の傾きは、1よりも大きい。

〔解答群〕

a:正  b:正  c:誤
a:正  b:誤  c:誤
a:誤  b:正  c:正
a:誤  b:正  c:誤
a:誤  b:誤  c:正

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: エ(a:×/b:〇/c:×)

解説

  • a:×
    ケインズ型消費関数では限界消費性向(MPC)は一定。所得が増えてもMPCは変化しないため、「高所得者ほど限界消費性向が小さくなる」という記述は誤り。
  • b:〇
    限界消費性向は一定だが、平均消費性向(APC=消費÷所得)は所得が増えるにつれて低下する。これは消費関数が原点を通らず、独立消費(所得ゼロでも必要な消費)があるため。
  • c:×
    ケインズ型消費関数の傾きは限界消費性向(MPC)であり、通常は0より大きく1未満。傾きが1を超えると、所得が増えるほど消費がそれ以上に増えることになり、非現実的。

学習のポイント

  • ケインズ型消費関数の形:
    消費支出 = 独立消費 + 限界消費性向 × 可処分所得
    (例:C = C₀ + cY)
  • 限界消費性向(MPC):
    所得が1単位増えたときに増加する消費額。消費関数の傾きに相当し、通常は0〜1の間。
  • 平均消費性向(APC):
    所得に対する消費の割合。所得が増えると、独立消費の影響が相対的に小さくなり、APCは低下する。
  • グラフの特徴:
    直線ABは限界消費性向が一定であることを示す。原点を通らない場合、独立消費が存在する。