過去問解説(経済学・経済政策)_2024年(R6年) 第6問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(貨幣需要の3動機理解)
  • 正答率: ★★★★☆(基本知識)
  • 重要度: ★★★☆☆(マクロ経済の基礎)

問題文

貨幣需要に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

貨幣は流動性が高いので、利子率の上昇によって取引動機による貨幣需要は増加する。
現金は物価上昇によって価値が増加するので、利子率の上昇によって資産選択の動機による貨幣需要は減少する。
現金は安全性の高い金融資産であり、利子率の上昇によって資産選択の動機による貨幣需要は減少する。
将来の不確実性が高いと見込まれるとき、利子率の上昇は予備的な動機による貨幣需要を増加させる。

〔解答群〕

a:正  b:誤  c:誤  d:正
a:誤  b:正  c:正  d:誤
a:誤  b:正  c:誤  d:誤
a:誤  b:誤  c:正  d:誤
a:誤  b:誤  c:誤  d:正

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: エ(a:誤/b:誤/c:正/d:誤)

解説

  • a:誤
    取引動機による貨幣需要は所得水準に依存し、利子率の影響は受けない。利子率上昇で増加するという記述は誤り。
  • b:誤
    現金は物価上昇で価値が減少する。利子率上昇による資産選択動機の貨幣需要減少は正しいが、前半の「価値が増加する」が誤り。
  • c:正
    現金は安全性の高い資産だが、利子率が上昇すると債券などの利子を生む資産が有利になるため、資産選択動機による貨幣需要は減少する。
  • d:誤
    予備的動機による貨幣需要は将来の不確実性に依存するが、利子率の上昇によって増加するわけではない。利子率上昇はむしろ貨幣需要を減少させる方向に働く。

学習のポイント

  • 貨幣需要の3動機:
    ・取引動機:所得水準に比例。利子率の影響なし。
    ・資産選択動機(投機的動機):利子率が低いと貨幣需要増加、高いと減少。
    ・予備的動機:不確実性に備えるための需要。利子率よりも将来予測に依存。
  • まとめ: 利子率の上昇は資産選択動機による貨幣需要を減少させるが、取引・予備的動機には直接的な増加効果はない。