過去問解説(経済学・経済政策)_2024年(R6年) 第7問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(乗数効果の理解)
  • 正答率: ★★★★☆(基本公式の応用)
  • 重要度: ★★★☆☆(財政政策の効果分析)

問題文

生産物市場の均衡条件が以下のように表されるとき、減税の乗数効果を大きくするものとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

生産物市場の均衡条件 Y = C + I + G

消費関数 C = C₀ + c(Y - T)

投資支出 I = I₀

政府支出 G = G₀

ただし、Y は所得、C は消費支出、C₀ は基礎消費、c(0 < c < 1)は限界消費性向、T は租税、I は投資支出、G は政府支出である。

〔解答群〕

基礎消費の増加
限界消費性向の上昇
限界貯蓄性向の上昇
政府支出の増加
投資支出の増加

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: イ(限界消費性向の上昇)

解説(選択肢ごとの評価)

  • ア:×
    基礎消費の増加は定数項の増加であり、乗数効果(税の変化による波及効果)には直接影響しない。
  • イ:〇
    減税の乗数効果は「限界消費性向 × 税額変化 ÷(1 − 限界消費性向)」で表される。限界消費性向が高いほど、税の減少が消費に強く波及し、乗数効果が大きくなる。
  • ウ:×
    限界貯蓄性向は「1 − 限界消費性向」であり、これが上昇すると乗数効果は逆に小さくなる。
  • エ:×
    政府支出の増加は財政支出乗数に影響するが、減税の乗数効果とは別の話である。
  • オ:×
    投資支出の増加は総需要を押し上げるが、税の変化による乗数効果には直接関係しない。

学習のポイント

  • 減税乗数の式:
    減税乗数 = 限界消費性向 ÷(1 − 限界消費性向)
  • 限界消費性向(MPC):
    所得が増えたときに消費に回る割合。高いほど乗数効果が大きくなる。
  • 乗数効果の本質:
    初期の支出増加が何度も経済内で循環し、最終的な総需要を大きく押し上げる現象。