過去問解説(経済学・経済政策)_2024年(R6年) 第12問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(自然失業率仮説の理解)
  • 正答率: ★★★☆☆(理論と用語の正確な把握)
  • 重要度: ★★★☆☆(マクロ経済の長期均衡)

問題文

自然失業率仮説に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

現実のインフレ率が期待インフレ率を上回るとき、失業率は自然失業率よりも高くなる。
自然失業率仮説によると、長期的に失業率は、自発的失業を含めて、ゼロになる。
長期的には、政府支出の増加はインフレを抑制し、失業率を低下させる。
失業率が自然失業率に等しいとき、現実のインフレ率は期待インフレ率と等しくなる。

〔解答群〕

a:正  b:正  c:誤  d:正
a:正  b:誤  c:誤  d:正
a:誤  b:正  c:正  d:誤
a:誤  b:正  c:誤  d:正
a:誤  b:誤  c:誤  d:正

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: オ(a:誤/b:誤/c:誤/d:正)

解説

  • a:×
    フィリップス曲線に基づけば、現実のインフレ率が期待インフレ率を上回るとき、失業率は自然失業率を下回る。よって記述は逆で誤り。
  • b:×
    自然失業率仮説では、長期的に失業率はゼロにはならず、摩擦的・構造的失業を含む一定水準にとどまる。ゼロになるという記述は誤り。
  • c:×
    政府支出の増加は短期的には需要を刺激するが、長期的にはインフレを加速させる可能性があり、失業率を低下させるとは限らない。記述は誤り。
  • d:〇
    自然失業率にあるとき、期待インフレ率と現実のインフレ率は一致する。これは長期フィリップス曲線が垂直であることと一致する。

学習のポイント

  • 自然失業率仮説:
    長期的には、失業率はインフレ率に依存せず、一定の自然失業率に収束する。これは摩擦的・構造的失業を含む。
  • 期待インフレと現実インフレ:
    自然失業率にあるとき、両者は一致する。インフレ率が期待を上回ると、短期的に失業率は自然失業率を下回る。
  • 政策効果の限界:
    政府支出や金融政策は短期的には有効でも、長期的には物価水準に影響し、失業率には効果が限定される。