過去問解説(経済学・経済政策)_2024年(R6年) 第15問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(等費用線・等産出曲線の関係)
  • 正答率: ★★★★☆(典型図の読み取り)
  • 重要度: ★★★☆☆(生産要素の最適選択)

問題文

下図は、労働と資本の価格および生産技術水準が一定で、かつ完全競争市場の下で2つの等費用線と等産出量曲線を示している。

この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

点Eは点Dと比べて、産出量は同じであるが、総要素費用はより少ない。
点Gは点Dと比べて、技術的限界代替率は同じであるが、産出量はより少ない。
総要素費用を一定とした場合、点Fでは、労働量を減らし資本量を増やすことで利潤を多くできる。
産出量を一定とした場合、点Dでは、資本量を減らし労働量を増やすことで最適生産を達成できる。

〔解答群〕

a:正  b:正  c:正  d:誤
a:正  b:誤  c:誤  d:正
a:誤  b:正  c:正  d:正
a:誤  b:正  c:誤  d:誤
a:誤  b:誤  c:正  d:正

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: オ(a:誤/b:誤/c:正/d:正)

解説

  • a:×
    同じ産出量(同一等産出曲線)で総費用がより少ない点は、等費用線が原点側(より低い費用)の線上にある必要がある。図の関係からEはDより費用が小さいとはいえず、記述は誤り。
  • b:×
    技術的限界代替率(MRTS)は等産出曲線の接線傾きで決まる。DとGが異なる位置ならMRTSが同じとは限らず、かつGがより低い産出量の等産出曲線上にあるため、記述は誤り。
  • c:〇
    総費用一定(同一等費用線)でFが等産出曲線の接点に達していない場合、労働を減らし資本を増やす(またはその逆)ことで、より高い等産出曲線へ到達し、産出が増え利潤が高まる。
  • d:〇
    産出量一定(同一等産出曲線)でDが費用最小の接点でなければ、資本を減らして労働を増やす(またはその逆)ことで、より低い等費用線に移り、同産出の費用を削減して最適化できる。

学習のポイント

  • 最適生産の条件:
    等産出曲線と等費用線が接する点(MRTS=要素価格比)が費用最小の組合せ。
  • 費用一定・産出最大化:
    等費用線上で、より外側の等産出曲線に届く組合せが望ましい。
  • 産出一定・費用最小化:
    同じ等産出曲線上で、できるだけ原点側の等費用線に移れる組合せが最適。
  • MRTSの直感:
    等産出曲線の接線の傾きが、労働と資本の限界代替の比率を示す。接点で要素価格比と一致する。