過去問解説(経済学・経済政策)_2024年(R6年) 第22問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(比較優位の計算)
  • 正答率: ★★★★☆(典型問題)
  • 重要度: ★★★☆☆(国際分業の基礎)

問題文

下表に従って、比較生産費説に基づく国際分業を考える。カカオ1単位を生産するのに必要な労働量は、A国では5、B国では4である。同様に、大豆1単位を生産するのに必要な労働量は、A国では10、B国では2である。労働は両国で同質で、当初はどちらの国もカカオと大豆をそれぞれ40単位ずつ生産していたものとする。

このような状況に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 
A国
B国
カカオ1単位当たりの労働量
5
4
大豆1単位当たりの労働量
10
2

〔選択肢〕

A国におけるカカオ1単位の機会費用は、大豆2単位である。
B国における大豆のカカオに対する相対価格は、A国のそれよりも高い。
B国で2つの財の生産に必要となる労働量の合計は240である。
当初の労働量を維持しながら、A国がカカオの生産に、B国が大豆の生産にそれぞれ完全特化したとき、各国におけるカカオと大豆の生産量はどちらも120となる。

〔解答群〕

a:正  b:正  c:誤  d:誤
a:正  b:誤  c:正  d:誤
a:誤  b:正  c:正  d:誤
a:誤  b:誤  c:正  d:正
a:誤  b:誤  c:誤  d:正

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: エ(a:誤/b:誤/c:正/d:正)

解説

  • a:×
    A国でカカオ1単位に必要な労働は5、大豆は10。カカオ1単位の機会費用は「大豆0.5単位」。よって「大豆2単位」は誤り。
  • b:×
    B国の大豆の相対価格(カカオに対する)は「2労働/1大豆 ÷ 4労働/1カカオ」=0.5。A国は「10/1 ÷ 5/1」=2。よってB国の相対価格はA国より低い。
  • c:〇
    B国はカカオ40単位×4=160、大豆40単位×2=80。合計労働量=160+80=240。正しい。
  • d:〇
    B国の総労働量240をすべて大豆に使うと240÷2=120単位。A国も同様に240÷5=120単位のカカオが生産可能。完全特化で両国とも120単位ずつ生産できる。

学習のポイント

  • 比較優位の判断:
    機会費用が低い財に特化するのが比較優位。A国はカカオ(機会費用0.5)、B国は大豆(機会費用0.5)に特化。
  • 相対価格の計算:
    各財の労働コストを比較し、どちらの国がより効率的かを判断。相対価格は機会費用と一致する。
  • 完全特化の生産量:
    総労働量を各財の単位労働量で割ることで最大生産可能量を算出。特化によって貿易余剰が生まれる。