過去問解説(財務・会計)_2024年(令和6年) 第10問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(原価計算の基礎)
  • 正答率: ★★★☆☆(仕掛品・製品・売上原価の区分理解が必要)
  • 重要度: ★★★☆☆(工業簿記の基本論点)

問題文

以下の資料に基づき、原価に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資料】

製造指図書№ 7月に生じた原価 8月に生じた原価 9月に生じた原価 備考
№110 450,000 円 7月1日製造開始。
7月30日完成。
8月10日引渡。
№120 420,000 円 200,000 円 7月15日製造開始。
8月5日完成。
8月20日引渡。
№130 500,000 円 8月5日製造開始。
8月25日完成。
8月30日引渡。
№140 400,000 円 8月10日製造開始。
8月30日完成。
9月5日引渡。
№150 360,000 円 190,000 円 8月20日製造開始。
9月10日完成。
9月15日引渡。

〔解答群〕

8月に増加した売上原価は 1,070,000 円である。
8月末の仕掛品は 760,000 円である。
8月末の製品は 400,000 円である。
9月に増加した売上原価は 550,000 円である。

出典:中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

正解:


解説

ア:×
8月に売上原価となるのは「8月に完成し、かつ引渡済みの製品」。
№120(完成8/5・引渡8/20 → 売上原価計上)、№130(完成8/25・引渡8/30 → 売上原価計上)。
→ 200,000 + 500,000 = 700,000 円。
問題文の 1,070,000 円は誤り。

イ:×
8月末の仕掛品は「完成していないもの」。
№150(8月20日開始、9月10日完成)の 360,000 円が仕掛品。
→ 760,000 円ではなく 360,000 円。

ウ:〇
8月末の製品は「完成済みだが未引渡のもの」。
№140(8月30日完成、9月5日引渡)の 400,000 円が該当。
→ 正しい。

エ:×
9月に売上原価となるのは「9月に引渡された製品」。
№140(400,000 円)、№150(360,000+190,000=550,000 円 → 9月完成分のみ)。
ただし №150 は9月10日完成・9月15日引渡なので、売上原価は 550,000 円ではなく 550,000 円+400,000 円=950,000 円。
→ 誤り。


学習のポイント

  • 売上原価:
     完成し、かつ引渡済みの製品。
  • 製品:
     完成済みだが未引渡のもの。
  • 仕掛品:
     製造途中で未完成のもの。
  • 典型的な誤り:
     「完成=売上原価」と誤解しやすいが、売上原価に計上されるのは「完成+引渡済み」の製品のみ。
  • まとめ:
     期末時点での「仕掛品」「製品」「売上原価」の区分を正しく押さえることが重要。