理系設計職の誤算。「経営情報システム」に3年かかって見えた、教材の短所を補い合う生存戦略

1次試験

「エンジニアなら、経営情報システムなんて簡単でしょ?」

職場で、あるいは勉強仲間から、そんな風に言われたことはありませんか? 輸送機器メーカーで部品設計や回路設計に携わっている私にとって、その言葉は少しだけ胸に刺さる「呪文」のようなものでした。

確かに、私たちは日々「技術」に触れています。しかし、図面を引き、仕様を固め、物理的なモノを作り上げる世界と、OSI参照モデルだの、SQLの第3正規化だのといった「情報のやり取り」の世界は、似ているようで全くの別次元です。

正直に告白します。 私はこの「経営情報システム」という科目に、今年で3年目の挑戦をしています。

1年目は、網羅性を求めて**『スピードテキスト(スピテキ)』を読み込みましたが、知識が断片的な「点」のまま繋げることができませんでした。 2年目は、全体像を掴むために『一発合格まとめシート』**に切り替えました。ここでようやく「点」が「線」になりましたが、試験本番の未知の論点には、情報の厚みが少し足りませんでした。

そして3年目の今、私はあえて、最初にお世話になった**『スピテキ』**を再び手に取っています。

これは、最短ルートを走り抜けた人の華やかな合格体験記ではありません。 遠回りし、教材をループし、泥臭く「自分に足りないもの」を探し続けた、一人の設計エンジニアの生存戦略の記録です。


「モノづくり」のエンジニアが情報の仕組みで躓くのは、構造上の必然

まず声を大にして言いたいのは、**「部品設計や回路設計のプロだからといって、ITのプロではない」**ということです。

私の主戦場は「物理層」に近いリアルな世界です。部品の干渉をチェックし、仕様を固め、図面を引く。そこには明確な「重さ」や「形」があります。

一方で、経営情報システムの試験範囲であるWebプロトコル(HTTPやREST)やデータベースの階層構造は、目に見えない「概念」の世界。同じITという言葉で一括りにされますが、実は住んでいる階層(レイヤー)が全く違うのです。

また、設計職は「なぜこの形状なのか?」という根拠(ロジック)を重視する生き物です。しかし、IT用語は「単なる決まり事」や「3文字の略称」が非常に多く、この**「納得感のなさ」**が、理系脳にとっての学習ブレーキになってしまうのです。


【試行錯誤の3年間】教材をループして分かった、それぞれの「限界」

私はこの3年間、教材選びで迷走しました。しかし、今振り返るとそれぞれの教材には明確な「役割」がありました。

1年目:情報の海で遭難した「スピードテキスト期」

「まずは網羅性だ」と手に取ったスピードテキスト。情報量は圧倒的ですが、初学者の私には「どこが重要で、どこが捨て問か」の判別がつきませんでした。 結果として、知識が繋がらないまま断片的な記憶だけで試験に突っ込み、見事に敗退しました。

2年目:図解と語呂合わせに救われた「まとめシート期」

「このままではいけない」と導入したのが『一発合格まとめシート』です。 これが私にとっての**「革命」**でした。後述する図解や語呂合わせのおかげで、バラバラだった知識が初めて構造化され、点と点が線で繋がったのです。

3年目(現在):あえての「スピードテキスト回帰」

「じゃあ、まとめシートだけで十分か?」と問われると、近年の難化傾向を考えると少し不安が残りました。まとめシートは要点が絞られている分、過去問にない新傾向の問題が出た際、対応する「肉付け」が薄いと感じたのです。

そこで3年目の今年は、まとめシートで作った「骨組み」に、スピテキで「肉」を付けていくという戦略をとっています。多浪生だからこそ、未知の選択肢を一つでも消すための「保険」としてスピテキを再評価しています。


独学エンジニアを救った「まとめシート」の最強ツール

2年目に私の理解を飛躍させてくれた、まとめシートの素晴らしさを少し語らせてください。

OSI参照モデルを攻略した「魔法の語呂合わせ」

ネットワークの基本である「OSI参照モデル」。第1層から第7層まで、理屈で覚えようとして何度も挫折した箇所ですが、まとめシートの**「ア・プ・セ・ト・ネ・デ・ブ(アプリケーション層〜物理層)」**という語呂合わせ一発で解決しました。 理屈が通じないIT用語は、こうした「強制パッチ」で脳に書き込むのが正解だと気づかされました。

視覚で理解する「情報の流れ」

設計図を見慣れているエンジニアにとって、まとめシートの**「図解」**はまさに共通言語です。 抽象的なデータベースの正規化や、サーバーの構成図なども、図解を通して見ることで「物理的なデータのフロー」としてイメージできるようになります。この「視覚的な納得感」が、記憶の定着を助けてくれました。


まとめ:「自分は初学者だ」と認めた時から、真の攻略が始まる

理想を言えば、私も1年で合格したかった。 しかし、教材を渡り歩き、遠回りをした経験は、情報の「深さ(スピテキ)」と「わかりやすさ(まとめシート)」を状況に応じて使い分ける力になりました。

「理系だからITが得意なはず」というプライドを一度捨て、**「自分はWebに関しては素人だ」**と認めること。そして、教材のいいとこ取りをして泥臭く暗記と向き合うこと。

それが、3年目の挑戦で私が辿り着いた、最も効率的な「生存戦略」です。


最後に:私が現在進行形で使っている教材たち

この記事で紹介した教材の使い分けは、あくまで私の実体験に基づくものです。皆さんの学習フェーズに合わせて選んでみてください。

[一発合格まとめシート]
まずは全体像(地図)を手に入れたい方、暗記に苦戦している理系脳の方へ。図解と語呂合わせは最強です。
・[中小企業診断士 スピードテキスト 経営情報システム]
基礎が固まり、本番で「見たことがない」を減らしたい方のための、最強の辞書であり保険です。
・[中小企業診断士 スピード問題集 経営情報システム]
教材で得た知識を「デバッグ」するための必須ツール。結局、問題を解くのが一番の近道です。

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